2014.03.08
「明日へ向かう社会福祉のつどい」開催
平成26年3月5日、福島県郡山市ビックパレットふくしまにて、「明日へ向かう社会福祉のつどい」(福島県社会福祉協議会主催)が開催されました。
これは、震災から3年が経ち、これまでの社会福祉関係者の努力を称えるとともに、ボランティアによる被災者支援活動、福祉施設利用者の避難受け入れへの尽力等に謝意を表し、福島県社会福祉活動の歩みをさらに進める決意を新たにする目的で開催されたものです。
全国曹洞宗青年会は、発災直後より現在まで、現地の社会福祉協議会などと信頼関係を構築の上、支援活動を継続して行ってまいりました。また、全国の各曹青会の方々が現地支援活動に積極的に参加くださったことなどから、このほど、「地震、津波の被災地における被災者支援や原子力発電所の事故による避難者支援のために、ボランティア活動を継続して行ってきた団体」として、全国曹洞宗青年会が表彰を受けるに至りました。全曹青の継続的な活動は、多くの団体との「協働」により実現したものであり、今回の表彰はあくまでも関係諸団体の代表として表彰いただいたものと受け止めております。
これからも、曹洞宗東日本大震災災害対策本部復興支援室分室と協働の上、継続的な被災地支援を行ってまいります。
【次第】
12:45 開会
12:50~13:55 講演
演題 「震災から学んだこと」
講師 赤坂憲雄先生(学習院大学教授・福島県立博物館館長)
14:10~ 式典
東日本大震災による犠牲者への黙祷
式辞
あいさつ
表彰
表彰状贈呈
感謝状贈呈
決意
15:00 閉会
【講演内容(抜粋)】
・震災は、その社会の中の弱者をあぶり出す。今回の震災では多くの介護や看護が必要な方が亡くなった。
・警察や公務員の方が亡くなった際には殉職者として発表があるが、介護施設で働いていて介護が必要な方の避難に際して亡くなった方は報道をされない、もっとスポットを当てるべきだろう。
・50年後の未来、日本の人口は3分の2になり、その45%が高齢者となる。この現状は、今の福島が置かれている状況と酷似している。つまり、福島は未来の日本の縮図であって、この福島を考えることは未来の日本をデザインすることになるのだ。
・その上で必要になる一つのキーワードが、「減災」である。
・どんなに大きな堤防を築こうともそれを上回る津波はやってくるのだ。その時に、介護の必要な方を連れて逃げることが可能であろうか?45%が高齢者となっている社会では高齢者がより高齢の者の介護をしている現実があるだろう。その時に、逃げることができるだろうか?
・「減災」の視点から考えるに、「避難の必要がない場所に介護施設を作ること」が必要になることが分かる。
・もちろん、この45%の高齢者という状況を変えるには若い者たちへが安心して雇用に付き、結婚して、子供を作るという事が最低の条件となるだろう。これは、自己責任では語れない状況だ。国としてきちんとした対応が必要になる。
・もう一つのキーワードは、「災間」である。
・私達は、「災後」を生きているのではない、今後必ず起こる大地震との「間」を生きているのだ。
・その視点に立つとき、社会は弱者を基準としてデザインする必要があると思う。
・ムダを省いて、リスクを個人に追わせる「自己責任」には限界がある。
・阪神・淡路大震災後神戸の方々が、「3年経つと誰も来なくなった」とおっしゃっていた。
・世間の「忘れたい」という願望から相手にされなくなる。
・しかし、たとえ「忘れたい」と言っている方々から嫌がられたとしても、情報を発信し続ける事は被災地としてしなければいけないことなのだ。
・それは、同情してくれということではなく、今後違う場所で必ず起こる震災への準備となるのだ。
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