この度、韓国の曹渓宗より「2025国際禅瞑想サミット」に全曹青が招待いただき、合わせて招待されたタイ・ネパール・スリランカの僧侶と共に、全曹青国際委員会より2名が出席してまいりました。
またこれまでオンラインで行ってきた交流会「Korea-Japan Zen Club」を、現地の僧侶たちと直接対面し開催してきました。
韓国での滞在期間は4日間でしたが、今回はその様子をお届けします。
曹渓宗の本山曹渓寺(ソウル)にて
今回の行程は以下の通りです。
3月31日 | 韓国仁川空港集合、ソウル 弘大禅院(Just Be Temple)へ移動 第5回Korea-Japan Zen Club開催→弘大禅院にて宿泊 |
4月1日 | 弘大禅院の僧侶たちの活動視察 奉恩寺〈禅瞑想サミット懇親晩餐会/禅瞑想サミット開会式〉 |
4月2日 | 津寛寺〈Temple Stay・寺刹料理の視察〉 曹渓寺〈韓国・江原道山火事災害見舞金贈呈/ご住職との意見交換会〉 曹渓宗総務院〈国際部訪問〉 仁寺洞周辺観光〈曹渓宗関連施設・布教の現場視察・燃燈祭に向けた点灯式〉 |
4月3日 | ソウル国際仏教エキスポ2025〈韓国仏教関連ブースの視察〉 奉恩寺〈弘大禅院が運営するブースの視察〉 仁川空港発→帰国 |
2025国際禅瞑想サミットは4月1日に行われた奉恩寺(ソウル)で開会式が行われ、その後は韓国国内の各地で様々な催しを行い、10月に閉会を迎えるという大規模なイベントです。私たちが出席した開会式以降は、4月6日までソウル・カンナム地区にて様々なイベントを催しておりました。
開会式では曹渓宗総務院長のご挨拶の後に開会宣言がなされ、引き続いて韓国の伝統的な音楽や仏教にまつわるパフォーマンスの披露があり、多くの仏教徒の皆様と楽しいひと時を過ごさせていただきました。テレビ中継も入る大規模な開会式に、韓国における仏教の力強さを感じるものでした。
2日にはソウル四大名刹の一つになっている自然豊かな津寛寺や、ソウル中心地にある本山の曹渓寺を参拝させていただき、それぞれにご住職様やご案内いただいた僧侶の方々と意見交換を行いました。
曹渓寺では先日韓国・江原道で起こった大規模な山火事災害見舞金を贈呈させていただきました。
その後は曹渓宗総務院国際部へ訪問、また周囲にある仏教関連書籍を取り扱う書店や曹渓宗が運営する寺刹料理教室など、布教関連施設を視察させていただきました。
2日の夜には4月末に行われる燃燈祭に向け、会場となる大通りに祀られた仏塔の点灯式が行われ、そちらにも参加させていただきました。燃燈祭とは韓国における「花まつり」を祝うお祭りであり、ユネスコ無形文化遺産にもなっている世界的な仏教の祭典です。2025年は4月26~27日にかけてパレードや様々なブースなどが出され盛大に開催されます。
3日の帰国前には、COEXという大規模なイベント会場で行われた〈ソウル国際仏教エキスポ2025〉を視察させていただきました。都心ど真ん中にあるCOEXで行われたこの仏教エキスポは、韓国中から集まった仏教に関連するブースが設けられ、仏画や仏像の展示や販売、軍隊の中にある仏教徒の団体による物販や活動の様子の紹介など、その内容は多岐に渡ります。開催される4日間、国内から多くの人たちがこのエキスポに集い、そのスケール感に圧倒されました。また、年々規模が大きくなっていて、来年はもっと大きくできるのではないかという関係者の言葉にさらに驚きました。
行程の順序が逆になりますが、日本から仁川空港に到着した3月31日には、昨年よりオンライン交流会「Korea-Japan Zen Club」を協働して開催している曹渓宗国際伝法団の方々が中心に運営される弘大禅院(Just Be Temple)を訪れました。
日頃オンラインで顔を合わせていた皆様やスタッフの皆様から歓待を受け、企画を担当させていただき歩んできた1年半のご縁の広がりにとても感動しました。
そして当日は現地で「第5回Korea-Japan Zen Club」を開催し、韓国でご参加いただいている皆様も私たちの訪韓に合わせ弘大禅院に集まっていただき、直接の交流機会をいただきました。
その日は弘大禅院に宿泊させていただき、弘大という繁華街の中にあるゲストハウスのような寺院運営という韓国国内でも新しい取り組みをされる皆様の姿に大いに刺激をいただきました。
弘大禅院ご住職の俊漢師からは、両国を「近くて遠い国、遠くて近い国。色々あるかもしれないが、私たちはお釈迦様の弟子として手を取り合い、時に喧嘩をしながら一緒に道を共にする兄弟となる未来を作りましょう。」というお話がありました。この「未来を自分たちで作っていく」という言葉はとても大事なものであり、次代を担う青年僧にとってはより一層重みのある言葉なのだと感じます。
全国曹洞宗青年会として、交流のある他国の仏教団体との友好的な関係を未来へと繋いでゆくことが、私たちならではの新たな価値観を社会へ提案できるのではないかと、その可能性を感じた滞在となりました。
国際委員会 髙倉秀哲