第12期全国曹洞宗青年会 会長 寿松木宏毅
昭和50年11月、全国曹洞宗青年会が発足いたしました。以来22年間、「大衆教化の接点を求めて」という大命題を掲げ、多くの諸先輩達がそれぞれの時代に即し、様々な活動を展開し数々の実績をあげてこられました。
それぞれの時代を通じて常に自ら問いかけてきたことは”今、私たち青年僧侶に何ができるのか”ということです。
社会状況の変化とともに人心は向上よりも、むしろ荒廃に向かい、環境は地球的規模で汚染され、まさに危機的状況と言わざるをえません。この状況の中で、改めて私たちに何が出来るのかを問い、問題解決の方策を考えていかなければなりません。
そのためには、まず私たち一人ひとりが自ら僧侶としての自覚と信仰にもとづいた日常生活をきずき上げることが大切であります。そうした「足元から自己を正す姿勢」があってはじめて青年僧侶は寺院の中においても、また地域の人々に対しても、明るく、喜びに満ちた頼りがいのある勝友として、この困難な時代を変えるパワーの源となっていくことでしよう。
青年会という組織は、何よりも私たち個人の切実な願いや問題意識から生じてくるところのエネルギーと、そこにかかわっていこうとする使命感と行動の力が原動力であります。そのようなことが互いに触れ合い、集約され、束ねられるとき、そのエネルギーは個々を越えた威神力となって、社会を変えていく力になるはずです。
今期執行部の青年会活動は青年らしい鋭敏な感性をつちかい、それぞれ自己を掘り下げ、自己を習う毎日に立脚したものであることを、まず再確認したいと思います。そしてこれまでの執行部の活動成果を支持し、各種事業を引継ぎ一層の充実と発展に努めるとともに、私たち一人ひとりが常に問題意識を持ちながらその解決に取り組んでいける場を作っていきたいと考えております。
来るべき21世紀への新たな歩みの第一歩として、それぞれの活動を通じて青年僧のあり方、組織のあり方を絶えず考え、また各単位曹育と互いに理解・協力し、幅広く討議しあえる環境づくりを目指しております。
以上のことをふまえ、第12期執行部は今後2年間精一杯力を尽くしていく所存でございます。是非皆様のご理解とご協力が得られますことをお願い申しあげます。
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