第36回中国曹洞宗青年会いずも大会
弔縁(ちょうえん) — 死をめぐる、それぞれの想い
今冬最初の寒波がおとずれた昨年11月19、20日、中国管区内の青年会員約100名が島根県松江市に集い、第36回中国曹洞宗青年会いずも大会が開催されました。いずも曹洞宗青年会が主管をつとめ、『弔縁』という造語をテーマに講演・対談・グループディスカッションが行われました。
初日は、「くにびきメッセ小ホール」を会場に一般聴講者も多数参加の中で行われました。始めに東日本大震災物故者並びに全国自然災害物故者追善供養が勤められ、引き続き『遺体〜震災、津波に果てに〜』の著者・石井光太氏より「東日本大震災。被災地での死と弔い」と題した講演がありました。遺体安置所のお話の中に、故人の尊厳を守る様子として、現場の人々が遺体にかけるあたたかい言葉、自衛隊員の敬礼、僧侶の泣きながらの読経といった情景が語られました。相手の立場に立ち、最善の方法で寄り添うことが大切ではないかとの総括でした。
続いて、葬送ジャーナリストの碑文谷創氏より「葬送のこれまでと行方」と題した講演がありました。葬送の歴史と現在の状況、これからの行方などお話しがあり、死は点ではなく、全てがプロセスであるということを改めて考えさせられました。講演後はお二方による対談も行われ、遺体の尊厳や弔縁について、また寺院の役割についてお話しをいただきました。
2日目は、会場を「ホテル白鳥」に移し青年会員によるグループディスカッションを開催。①「戒名はいらない、マイ戒名の葬儀」、②「家族葬はありか」、③「あなたにとって『弔縁』とは」の3題をテーマに数グループに分かれて積極的な議論が行われ、碑文谷氏からは助言をいただきました。中国5県の様々な意見に触れ、参加者一同有意義な時間が過ごせたのではないかと思います。2日間を通じて研鑽した今大会をご縁として、参加者それぞれの「弔縁」を深めたのではないかと感じながら会場を後にしました。