
この度、韓国にて開催された「第6回ソウル国際禅瞑想エキスポ」に全曹青をご招待いただき、国際委員会から4名が参加し日本ブースの運営を行ってまいりました。
またこの訪韓の機会に併せて、オンラインで行ってきた日韓交流会「Korea-Japan Zen Club」を、現地の僧侶たちと直接対面して開催いたしました。
行程は以下のとおりです。
| 11月21日 | 韓国・ソウル市内集合 慧雲師(曹渓宗国際交流員)案内のもと曹渓宗総本山曹渓寺へ参拝 妙臧師(曹渓宗総務院企画室長)と協議 弘大禅院(Just Be Temple)へ移動 「Korea-Japan Zen Club」開催→弘大禅院にて宿泊 |
| 11月22日 | 弘大禅院の活動視察 第6回ソウル国際禅瞑想エキスポ内で日本ブースの運営 場所:SETEC(ソウル貿易展示コンベンションセンター)、他ブースの視察 |
| 11月23日 | 前日に引き続き日本ブースの運営・現地の方たちとの交流 奉恩寺参拝 |
| 11月24日 | ソウル市内観光 帰国 |
【ソウル国際禅瞑想エキスポでの日本ブース運営】11月22日・23日
会場:SETEC(ソウル貿易コンベンションセンター) 主催:東国大学(曹渓宗宗門大学)
今年で第6回目を迎えた本エキスポは、毎年2万5千人以上が参加する大規模なイベントです。
会場内にはシンギングボウルを用いた音の瞑想や棺桶に入って行う瞑想、最新のVRを用いた瞑想など多様な体験ブースが並びました。



私たちが担当した日本ブースでは文化紹介として枯山水の体験や、日本茶の提供を行いました。曹洞宗の紹介として坐禅体験や、写真や本を用いて両大本山および全曹青の活動紹介も行いました。全曹青頒布物を用いた「ナムナムぬりえ」の体験では韓国のお子様たちにも楽しんでいただきました。
老若男女問わず多くの方が来場し、会場はとても賑わっておりました。日本ブースも全体で1、2を争う人気であったと運営の方よりお聞きしました。また、ブースには著名な方達もお越しになられ、多くの方達と交流を持つことができました。韓国では僧侶でなくても経典を学ばれている方が多く、仏教への意識が高い方が多い印象を受けました。また、日韓の仏教の違いについて熱心に質問を受ける場面もありました。






【Korean-Japan Zen Club】11月21日
場所:弘大禅院(Just Be Temple)
行程の順序が逆になりますが、ソウル市内にて集合し夕方より弘大禅院へ向かいました。髙倉委員長以外の私を含む3名が初訪問となった弘大禅院では、僧侶やスタッフの皆様に温かく迎え入れていただき、オンラインでは味わえない心の距離の縮まりを感じると共に、前期よりとても良い交流が続いていることを身をもって感じることができました。
その日の夜には、弘大禅院のもつYouTubeチャンネルを用いてライブ配信を行いました。
5分間の合同坐禅の後、それぞれ自己紹介させていただき、髙倉委員長より翌日の「ソウル国際禅瞑想エキスポ」日本ブースの紹介をさせていただきました。その後は初の訪韓となった3名が韓国の印象や感想をインタビュー形式でお答えし、私たちも韓国のことをお聞きする時間をいただきとても楽しい時間となりました。
その様子を放送したライブ配信は300名を超える視聴があり、その注目度の高さにも驚きました。
実際に翌日からのソウル国際禅瞑想エキスポでは、このライブ配信を視聴された方や、これまでにKorea-Japan Zen Clubに参加された方が会場で声をかけてくださることがあり、国際交流の可能性や交流を続けてきた意義を強く実感いたしました。



【寺院参拝・交流】各日
滞在中は慧雲師(曹渓宗国際交流員)にご案内いただき、ソウル市内の曹渓寺(曹渓宗総本山)や江南地区の都心の中心にある奉恩寺をお参りさせていただきました。私個人としても、韓国の寺院を訪れることをとても楽しみにしておりました。曹渓宗は曹洞宗と同じ禅宗ということもあり、似通った部分もあれば、互いに独自に発展を遂げた部分もあり、そうした些細な気づきがとても刺激的でした。
曹渓寺に訪れた日はちょうど菊まつりの期間中だったようで、境内が色とりどりの菊の花で飾られており、とても華やかでした。境内の中心にある「大雄殿」では金色に輝く大きな釈迦如来・阿弥陀如来・薬師如来が鎮座され、その前では礼拝をする人、お経を勉強している参拝者の方々がたくさんおられ、日本ではあまり目にすることのない光景に驚きと感動を覚えました。




曹渓寺への参拝後は妙臧師(曹渓宗総務院企画室長)と意見交換の機会をいただき、曹渓宗の布教の取り組みを知り、全曹青との可能性を検討し、私たち日本の青年僧侶に激励のお言葉をいただきました。



現地の僧侶の方と直接対話し、考え方や取り組みに深く感銘を受けると同時に、今回の体験を通して自分自身をもう一度見つめ直すきっかけになりました。自分の意思を上手く言葉で伝えられない場面もありましたが、国籍や言葉の違いはあっても同じお釈迦様の弟子として韓国の僧侶の方々と4日間をともにできたことは一生の宝物になったと確信しています。
オンラインで対話ができる便利な時代ですが、実際に現地に赴き、自分の目で見たことはとても大きな刺激となりました。
両国間の問題が世間を賑わすこともありますが、ニュースや世論などの情報で全てを判断するのではなく、経験や体験から学び、自分の肌で感じた真実を常に探求し続け、国際社会の一員としてこの学びを未来のより良い和合へと繋いでいきたいと思います。
文/国際委員 深川佑輔


