第38回曹洞宗青年会東北地方集会 福島大会援から縁へ— 未来への歩み誓う
福島県郡山市の郡山ビューホテルアネックスで平成25年11月19日、曹洞宗福島県青年会創立50周年記念大会、ならびに第38回曹洞宗青年会東北地方集会「福島大会」が開催されました。
午前中に曹洞宗福島県青年会創立50周年記念式典、午後には第38回曹洞宗青年会東北地方集会「福島大会」記念式典が、御来賓の尊宿諸老師と東北管区の曹青会員が参加のもと盛大に挙行されました。今大会では、「ふりかえれば、未来。〜これまでの支“援”から、これからの支“縁”へ〜」をテーマに、青年僧侶のこれまでの被災地支援活動をふりかえり、宗教者(僧侶)だから果たせる今後の役割と責任について考える機会として企画した記念事業も開催いたしました。一般聴衆も合わせた400名余の参加のもとに開会セレモニーを行い、主催者を代表して東北地区曹洞宗青年会連絡協議会会長・渡辺和弘師による歓迎挨拶と、今大会実行委員長で曹洞宗福島県青年会会長・富澤秀樹師による発声で東日本大震災の犠牲者への黙祷が奉げられました。
記念事業第1部では、福島県三春町臨済宗福聚寺住職で芥川賞作家の玄侑宗久氏に「ボランティアと行」と題してご講演を賜り、続く第2部では玄侑宗久氏を交えた青年僧侶らによるパネルディスカッションを開催いたしました。登壇した各県を代表する青年宗侶にはこれまでの被災地支援の活動を振り返りながら、これからの宗教者(僧侶)として果たし得る支援活動の可能性について思いを語っていただき、当時の政府の諮問会議に所属し、大局的な立場から、今回の震災を俯瞰できた玄侑宗久氏から宗教宗派を問わないご提言を頂戴いたしました。境遇や立場は違えども、自問自答しながら被災者とともに歩んできた私たちの活動の必要性や重要性は今後も変わらないと思いました。むしろ過剰な自信を持つことなく謙虚な姿勢で被災者と向き合い、ともに復興(自立)に向かって歩む姿勢がこれまで以上に問われていることを実感させていただきました。参加した東北管区の曹青会会員が、これからも苦悩する人々の伴走者として、被災者の苦しみと改めて向き合い、共に未来に向けて歩みを進めていくことを心に誓う機会となりました。
記念事業の最後には、浄土真宗本願寺派・教恩寺住職でシンガーソングライターのやなせなな氏による「いのちを歌うコンサート」が開催され、女性の立場から、生と死を見つめて、同じ時代に生きた震災の犠牲者とその遺族、そして被災者に寄り添ってきた歌声を通じて、いのちへの思いを聴衆の皆様にお届けし幕を閉じました。
今大会の御来賓の御尊宿老師、ならびに東北各地より参加された曹青会の皆様、大会の運営にご協力いただいた会員の皆様には深く感謝申し上げます。