「大本山總持寺二祖峨山韶碩禅師650回大遠忌記念 峨山道ウォークツアー」参加レポート

2014.06.05

「大本山總持寺二祖峨山韶碩650回大遠忌記念 峨山道ウォークツアー」参加レポート

 

平成26年5月15日(木)・16日(金)の2日間、峨山禅師の行跡をたどるウォークツアーが開催されました。(イベント企画:大本山總持寺大遠忌局、後援:大本山總持寺・大本山總持寺祖院・永光寺、協力:石川県輪島市、旅行主催:東武トラベル横浜支店)

このツアーは、峨山禅師が、羽咋の永光寺から輪島市の大本山總持寺祖院まで歩かれた道「峨山道」を歩くもの。峨山禅師は永光寺の住職と總持寺の住職を兼ねており、永光寺の朝課をつとめられた後に、13里(約52キロ)の山道を總持寺の朝課に間に合うように歩かれ、そのために總持寺ではゆっくりと読経(大悲真読)したという言い伝えが残っています。今回は、その一部である約10キロを歩かせていただきました。

1日目は午前9時に金沢駅西口に集合。バスには、大遠忌局の方々はもちろんのこと、一般檀信徒や、地元石川県の宗侶も参加。全曹青からは、櫻井会長・岩崎副会長・道林庶務・長岡広報委員長・西古広報委員の5名が参加させていただきました。30名を超える参加者を乗せた2台のバスがまず向かったのが、石川県河北郡津幡町瓜生の「峨山園」。「峨山園」は、峨山禅師の誕生地である瓜生に大正14年に開設された公園で、当時の羽咋郡河合谷村(現、河北郡津幡町)の助役であった荒木剛氏が地元の曹洞宗関係者などと協力して「峨山禅師生誕地」顕彰碑を建立し、その周辺一帯を整備したものです。毎年6月23日には、禅師の降誕会法要が、地域の方々や曹洞宗関係者などおよそ200名が参加して修行されるそうです。

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地域の方々に長年守られた、静謐な公園にお参りした後、バスに再び乗り、いよいよ羽咋の永光寺を目指しました。

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永光寺に到着し、輪島市職員の方々と合流の上昼食をいただいた後、法堂において、永光寺御住職の屋敷智乗老師を導師として五老峰ならびに峨山禅師の拝登諷経を勤め、ウォークツアー参加者の道中安全を祈願しました。

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法要の後、御住職から永光寺のあらましと峨山道の由来をお教えいただきいよいよ、ウォークの開始です。

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ウォークの参加者には、菅傘と杖が配られ、否が応でも気分は高まります。

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永光寺で最も古い建物である伝燈院(一般のお寺の開山堂にあたる)にお参りをし、さらに上を目指します。

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伝燈院から数分の場所に、天童如浄禅師、永平道元禅師、孤雲懐奘禅師、徹通義介禅師、瑩山紹瑾禅師の5名の祖師方の遺品等が埋納されている「五老峰」がありました。正伝の仏法をお伝えくださった祖師方の存在をより身近に感じ、また身の引き締まる想いでお参りをし、いよいよ一行は峨山道へと入っていきます。

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峨山道は、地元羽咋市や輪島市の皆さんによって、深山幽谷でありながらも大変歩きやすく整備され、快適に歩くことができました。何より、配っていただいた菅笠が雨除けとなり、降雨の中でも頭や顔が濡れることなく大変助かりました。

途中、古和秀水(こわしゅうど)と呼ばれる場所で天然の湧水をいただいて喉をうるおし、輪島市役所観光課の皆さんが雨にも関わらず用意してくれたお茶やコーヒーでひと休み入れながらの約2時間かけてのウォークの結果、午後5時に目的地である大本山總持寺祖院に到着。参加者一同で記念写真を撮影しました。

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總持寺祖院に到着すると、門前の方々によるお抹茶の接待もあり、その心遣いに大変感銘を受けました。

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夕食は、伝統文化施設「旧酒井邸」にて「門前御膳」をいただき、1日目の行事が終わりました。

2日目は、午前5時起床。着替え等を済ませ、法堂において朝課を共におつとめしました。朝食のお粥をいただき、午前8時半山門集合。まず徒歩で向かったのが、峨山禅師の墓所がある「亀山墓所」。

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参拝の後は、昨夜夕食をいただいた「旧酒井邸」の隣にある「禅の里交流館」へ。總持寺と深く結びついている門前の人々の様子や、總持寺の歴史、年中行事などがパネルや映像、また実際使用していたものなどを展示してわかりやすく紹介してありました。

總持寺祖院法堂に戻り、記念式典が行われました。

まず、門前の方々が禅師様をお迎えするときに披露するという『とどろ節』を鑑賞。法堂に響き渡る音と息のあった踊りに参加者一同、拍手喝采でした。

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その後、祖院監院・今村源宗老師を導師に法要をおつとめし、参加者一同法堂正面に進み、瑩山禅師・峨山禅師に対し焼香礼拝を行いました。

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法要後、今村老師より峨山禅師についてお話をいただきました。2代目の重要さ、後を継ぐことの大変さなどを身近な話題を織り交ぜながらわかりやすくお話下さいました。「皆さまが歩きながら身体で感じたもの、祖師に通じる“心”を経験したことで、この峨山道ウォークツアーの本義である峨山禅師の想いがより浸透することができるようになり、更には大遠忌の掲げる「相承」にきっと繋がることでしょう」とのお言葉に、自らが感じた峨山禅師の「想い」を広く伝えていくことの大切さを痛感いたしました。

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終わって、諸堂拝観となりましたが、平成19年の能登半島地震の爪痕がいまだ残っている様子に復興の難しさを感じました。

その後、昼食では精進料理をいただき、總持寺祖院をあとにしました。

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今回の峨山道ウォークツアーを通し、峨山禅師の行跡の一端を、より実感をもって知ることができました。何より、お世話くださった地元輪島市・羽咋市の皆さまのおもてなしの心には感銘を受けました。大遠忌奉賛として計画されている「全国徒弟研修会 with 国際こども禅のつどい」を開催し、峨山禅師の遺徳を相承していこうとの想いを強くした2日間の得難い経験でした。

報告/第20期広報委員長 長岡俊成・広報委員 西古孝志

 

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