第19期会長 退任にあたって

2013.05.21

第19期会長 退任にあたって

全国曹洞宗青年会 第19期会長 松岡広也

第19期全曹青の任期満了にあたり、執行部一同を代表して退任のご挨拶を申し上げます。

執行部一同が曹洞宗檀信徒会館に集まり最初の準備会を開催したのが、平成23年3月11日午後2時、東日本大震災の発災直前でした。地震発生後、被害の状況が分からず、また移動することもままならなかったため、中断しながらもとりあえず慎重に会議を続けました。まさに、東日本大震災と共にスタートした第19期でした。

その後、“今が明日への新たな一歩”をスローガンに掲げ、会員諸師はもちろん宗門内外の様々な組織と連携して、復興支援活動に邁進して参りました。全曹青が把握しているだけでも、これまで2年間に、延べ約4千名もの各曹青会員が東日本大震災及び各地で頻発した災害の現地活動に参加致しました。一人ひとりが、被災地の厳しい現実と向き合いながら同事行を実践したことが、結果として全曹青の連絡協議体としての組織力を最大限発揮することに繋がったことと考えております。

現地での活動のみならず、物資支援、ボランティア基金への賛助等を含め、様々な事業に対しまして、全国の団体様、ご寺院様等各方面からご支援ご協力を賜りました。曹洞宗宗務庁からは、2年間に亘り、現地本部の運営費等に対して、助成金を頂戴し、諸老師からは懇切丁寧なご指導ご厚情を賜りました。

全曹青災害復興支援現地本部を2年間設置させて頂きました福島県伊達市成林寺ご住職久間泰瑞老師におかれましては、多大なご負担ご迷惑をお掛け致しましたが、檀信徒の皆様にもご理解を賜りながら、広大なご法愛のもと、全国の青年宗侶の最前線の現地本部をご山内に受け入れて下さいました。

災害復興支援現地本部を支えて頂いたアドバイザーの久間泰弘顧問・宮下俊哉前副会長、事務局員の佐藤正乗師・近藤意時師の各師には、2年間被災地での調整にご尽力頂きました。各師の献身的な活動が、第19期全曹青の支援体制をリードし、全国の青年僧侶の組織的な支援活動の根幹を支えて下さいました。

全曹青災害復興支援部の諸活動にご支援ご協力ご尽力を賜りました全ての皆様に、改めて心より御礼申し上げます。全曹青災害復興支援現地本部は、曹洞宗東日本大震災災害対策本部復興支援室分室に吸収され、今後は宗門一体となって活動を継続していくこととなります。更に組織的な支援活動に全曹青と会員諸師が携わっていくことで、被災地の早期復興と被災者に一日も早く心の平安が訪れることを願うばかりです。

第19期の通常会務の活動内容のご報告につきましては、これまでの『SOUSEI』に委ねますが、総合企画委員会は頒布物や写経事業等での支援、広報委員会は『SOUSEI』並びにHP『般若』での支援活動の報告を通しての更なる支援の促進、法式委員会は全日仏青主催の東日本大震災一周忌及び三回忌慰霊並びに復興祈願法要の準備・進行と、各委員会が第19期のスローガンを柱に、それぞれの立場で関わることができる復興支援活動を行って参りました。

全日仏青執行特別委員会では、村山博雅師が全日仏青の理事長だけでなく、世界仏教徒青年連盟の副会長に就任致しました。所属団体として村山師をバックアップすることで、全曹青が宗派の垣根や国境を越えた諸活動に今まで以上に参画する機会を頂戴できたことも組織として非常に有意義でした。各国では、青年仏教徒の育成に対し、日本よりはるかに積極的に取り組んでいるように感じます。世界の仏教徒との交流の意義を痛感し、全日仏青同様に全曹青にも平成24年度に国際特別委員会を設置致しました。各国の仏教そのものの在り方を広く理解していくことと同時に、日本仏教の素晴らしさを国内外に伝えていく足がかりになることを期待しております。

私にとって全曹青は、諸先輩の想いを受け継ぎ自分の想いを実践できる、本当に純粋な道場でした。初めて出向した第17期には、各出向者が私心なく一生懸命に会務に取り組む姿が、周りの人の心を動かし、更に大きな原動力となって活動が展開されていくところを目の当たりにしました。第18期には、会のために自分も少しでも力になりたいと思って活動致しました。そして迎えたこの2年間は、私がこれまで実感した全曹青の素晴らしさを、なんとか一人でも多くの方にお伝えして一緒に活動したいという思いで、会務にあたって参りました。たまたま縁があって出向してきた私たちが、全国の皆様より頂戴した尊い会費や助成金、賛助金を預かって、会務運営させて頂いているだけであり、全曹青は、全国のどの地域のどの会員にも等しく参画する権利がある平等な組織であります。今後、全曹青の活動に少しでも興味を持って下さる会員諸師がおられたならば、臆することなく出向して頂けるよう、管区理事各位、評議員各位には、ぜひ門戸を広く開けて頂き、活動への一歩を後押しして頂くことをお願い申し上げます。

第19期全曹青は、第18期から受け継いだ襷を第20期に渡すところまで参りました。“今が明日への新たな一歩”のスローガンを共有して活動して頂いた執行部理事各位から委員会委員各位、災害復興支援現地本部局員各位に至る出向者全員に支えられて、その任を全うすることができました。また、各加盟曹青会評議員各位を始めとする全国の会員各位一人ひとりとも多くの得難い勝縁を頂戴致しましたことを深く感謝し、会務運営にご理解ご協力を賜りました全ての皆様に厚く御礼申し上げます。

最後になりましたが、各加盟曹青会のご隆昌と会員各位の益々のご活躍を祈念致しますと共に、第20期40周年の大きな節目を迎える全曹青に対しましてもこれまで以上のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私よりの退任のご挨拶と致します。2年間本当にありがとうございました。

合掌

退任挨拶

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