2024.06.01
昭和50年に発足した全国曹洞宗青年会は、第25期をもって創立50周年を迎えました。
創立50周年を記念して、記念式典・記念シンポジウム・記念講演を行いました。
50年間で積み重ねられてきた、歴代会員のみなさまの思いを受け継ぎ、次世代へとバトンを繋ぐ意識を再認識できた会となりました。
今後も、全国曹洞宗青年会をよろしくお願いたします。
令和6年5月23日、曹洞宗檀信徒会館において、全曹青創立50周年記念式典を挙行しました。現役の青年会員含め、200名の皆様にご参加いただきました。来賓として、大本山總持寺貫首・石附周行禅師、大本山永平寺貫首名代・東京別院副監院・宗清志老師、曹洞宗宗務総長・服部秀世老師にお越しいただきました。記念式典では、仏祖諷経・全曹青物故者慰霊諷経とあわせ、今年元日に発災した能登半島地震の慰霊黙祷を行いました。
記念式典冒頭では、田ノ口太悟会長より式典に参加された皆様への挨拶がありました。全曹青50年の歴史を振り返り、歴代の会長老師をはじめとする全曹青会員の皆様に感謝を述べるとともに、次世代への承継の誓いを述べました。全曹青第2期会長であられた石附禅師からのご挨拶では、50年前の全曹青創立当時を思い起こされながら貴重なお話を頂戴いたしました。当時、全国各地で別々に活動していた青年会活動をまとめ、宗門として一丸となっていこうという機運が高まっていた様子をお話しされました。当時から全国より多くの青年僧侶が集まっていたため、お互いが良い刺激になったそうです。お話の最後には、現代とこれからの時代を担う青年僧侶に対して激励のお言葉をいただきました。宗老師は、大本山永平寺貫首・南澤道人禅師からのご祝辞を代読されました。その中で全曹青という組織をサンガにたとえ、たゆまぬ自己研鑽に励むようにというお言葉をいただきました。その自己研鑽をもって社会の課題に取り組んでいくことを期待されていました。服部宗務総長よりは、『大衆教化の接点を求めて』という全曹青の創立理念に触れながら、能登半島地震をはじめとする大規模災害への災害復興支援活動という社会貢献を高く評価していただきました。また、これからも時代に合わせた形での社会貢献活動の展開を期待されました。
記念式典の最後には、宮本昌孝副会長が能登半島地震の活動報告を行い、今後も継続的な支援を呼びかけさせていただきました。
式典後、午後3時半からは「未来への結集」と題したシンポジウムを開催しました。まず森井宗淳50周年記念事業実行委員長により周年事業について映像を交えたプレゼンテーションが行われ、各事業に込める想いが述べられました。
その後は、順番に各期の活動内容をまとめた映像を上映し、歴代会長にご登壇いただいて当時のエピソードや今後の全曹青への期待等を語っていただく形で進行しました。これまで多くの方々の手によって積み重ねられてきたものを如何にして未来へと繋げていくかを考える有意義な時間となりました。
戦場カメラマンの渡部陽一氏をお招きして、「レンズからの宗教 ~戦場の死生観~」というテーマでご講演をいただきました。
令和6年5月24日、曹洞宗檀信徒会館において全曹青創立50周年記念講演を開催しました。戦場カメラマンの渡部陽一氏を迎え、「レンズからの宗教〜戦場の死生観〜」をテーマにお話しいただきました。この講演は創立時の青年僧侶の想いを戦争経験のない現代の青年僧侶が想像し、改めて『大衆教化の接点』とは何かを考えること。そして戦争について改めて認識し、未来に向け想いをつなぎ合わせることを目的としました。
渡部氏は20歳の頃にルワンダ内戦の地を訪れ、助けを求める子どもたちに対して何もできなかった経験から、戦地の現状を世界に発信する戦場カメラマンになる決意をされました。戦場ではライフラインとなる医療現場が常に狙われ、その犠牲が常に子どもたちであると、悲劇的な写真とともにその様子を語られました。
渡部氏が訪れたどの地域も生活のすべてが宗教慣習で成り立っており、イランなどでは大統領よりも宗教指導者の考えが優先されるなど、戦争では宗教が及ぼす影響はとても大きく、青年僧侶も深く考えさせられる講演となりました。
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