平成28年台風第10号被災地支援活動レポート【2016.09.28更新】

2016.09.28

平成28年8月30日に東北地方へ上陸した台風10号は、東北地方や北海道に大きな被害をもたらしました。
全国曹洞宗青年会(以下、全曹青)災害復興支援部では情報の収集と発信に努め、
各地の青年会では道路が寸断されていた初期段階から、
情報連絡、また支援活動を行ってこられました。

その中で、9月26日に岩手県曹洞宗青年会様(以下、岩曹青)の活動に参加させていただきました。
筆者は前日に岩手県に入り、往路は盛岡市から閉伊川沿いに宮古市に向かうルート、
翌日の復路は岩泉町から小本川沿いに盛岡市に戻る道を車で通行しました。
両河川とも氾濫の痕が大きく残り、路肩が削られ片側交互通行になっている場所、
途中から流されて無くなっている橋、薙ぎ倒された電柱やガードレールがあり、
中州には数多くの流木が残っていました。

9月26日午前、岩泉町小本防災センターには岩曹青の皆様の他に、
曹洞宗福島県青年会(以下、曹福青)の4人の方も合流し、
ボランティアセンターへの登録を行ってから、
活動を行う町内の「中里地区交流センター」に向かいました。
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この交流センターは、堤防道路を挟んで小本川のすぐ近くにあり、
地域一帯を覆った泥流が建物内に流入していました。
1年前に撮影されたgoogleマップの風景と比べてみると、
河川と堤防道路の間にあった樹木が、ほとんど流失しているのが分かります。
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地元の方にお聞きすると、センターの隣にある公園や田んぼなどにも泥水が流れ込んだそうです。
一面にひび割れた泥が広がる景色が、川から溢れた泥水の恐ろしさを残していました。
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岩曹青で準備いただいたスコップや手押し車、更に地元の方からお借りした軽トラックなどを使い、
建物内全体に30~40cmほど堆積した泥を屋外に運び出したり、
廃棄せざるを得ないものを集積所まで搬出しました。
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厚さ30センチほどに堆積した泥は川の水を含んで非常に重く、
スコップで掬っては手押し車で外に運ぶ作業を
岩曹青7人、曹福青4人、地元の方1人、全曹青1人の合計13人で繰り返しました。
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朝は曇っていた天気も昼には日差しも出たことで気温が上がり、
休憩を挟みながら室内も運び出しも汗だくで作業を続けました。
この日は建物内の泥の3分の2ほどを屋外に運ぶことができました。
泥の下からは、交流センターの床板が見えるようになりました。
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岩曹青の皆様は、久慈市や岩泉町など計十数回の支援活動を行っており、
時には今回のように応援の曹青会とともに作業を行うこともあるそうです。
被害が大きい為に一日では終わらない作業も多く、
今回の中里地区交流センターも、
数日後に重機を使って外の土砂を撤去する作業が予定されているそうです。
曹福青の方も「来てみなければここまで大変だとは分からなかった」と話されていました。
交通孤立が解消したことで物資やボランティアは入っておりますが、
復旧復興への道はまだ始まったばかりです。
既にこの日の曹福青の皆様のように、
東北近県など多くの青年会の皆様が支援活動に入られておられます。
全国曹洞宗青年会も引き続き情報の発信に努めつつ、
支援活動のマッチングなどをサポートしてまいります。

文/広報委員長(災害復興支援部) 宮入真道


全国曹洞宗青年会に寄せられた情報は、
全曹青災害メーリングリストで随時情報の収集・発信を行っております。
【災害ML登録フォーム】
http://sousei.gr.jp/WP3/?page_id=4797

なお、ご支援に関するお問い合わせは当ホームページ『般若』から、
災害復興支援部・城市までお問い合わせください。
http://sousei.gr.jp/WP3/?cat=11

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